漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」のあらすじ・ネタバレありの考察・感想。コメディ要素多め、田島列島さんのレアなおまけも豊富に掲載

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春文

大学時代は文学部史学科文化人類学専攻で宗教、西洋文化史、サブカルチャーなどを勉強。趣味は漫画映画ジブリYouTube芸能ダークアカデミア、地域文化、ブログなど。現在は制作会社の運営などもしてます。

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漫画家、田島列島さんの「水は海に向かって流れる」「子供はわかってあげない」を読んだという話は以前も紹介しましたが、田島列島さんの話は基本的に本筋が似ています。一つのテーマを突き詰めて描くようなタイプなのかなと思いますが、一つの作品が面白いと感じたら他の漫画も同様に面白いと感じることができます。
田島列島短編集 ごあいさつ」もその中の一つ。デビューの後、発表してきた7つの短編と、おまけをまとめた「田島列島短編集 ごあいさつ」の中身について紹介します。
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漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」のあらすじ。

最初のお話は「ごあいさつ」から。
おそらく学生、女の子が家に一人。
キッチンで水を口に含み、虫かごを開けようとする女の子。そのときにインターホンが鳴ります。
のぞき窓からは女性の姿。口に水を含んだ女の子は、挨拶を受けた後虫かごに水を吹き出します。
ようやく挨拶を返した女の子。
相手が誰かもわからないのに図太い。。姉を訪ねた来客は困惑をする…。
この女性、実は姉が関係を持った相手の奥さん。修羅場のハズなのですが姉は不在。妹はのんきに虫に水をあげているわけです。
奥さんは困惑した様子ですが、この二人の間に生まれる奇妙な関係性、空気感が続く…。
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漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」のネタバレありの考察・感想。

ここからはネタバレありの感想、考察を。
まだ読んでない人はできれば読まないでください。

中長編とはちがう魅力。|漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」のネタバレありの感想・考察①

「ごあいさつ」は、この後「自分の姉」と「不倫された奥さん」との間で悩む少女の物語が続くのですが、全体を通じて「水は海に向かって流れる」「子供はわかってあげない」とはすこしちがう魅力があります。
水は海に向かって流れる」「子供はわかってあげない」は「人間関係ミステリー」というか、人間関係の間にある謎やミステリーに迫った作品なのですが、この作品では「人間関係が進むゆくえ」を描いている群像に近いです。
自分が考える理想の人生と、(自分の理想とは異なる方向に進む)他人への期待。そういう「いろいろな人生」を描いている作品が集まっている短編集です。

コメディ要素多し。|漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」のネタバレありの感想・考察②

田島列島さんの作品の特徴は薄暗いトーンと共存するコメディ要素ですが、この作品集ではコメディ要素がとても多い!
田島列島短編集 ごあいさつ」→「子供はわかってあげない」→「水は海に向かって流れる」と徐々にコメディ要素が減ってくるのですが、この短編集は爆発しています笑

面白い理由がよりわからない。けどとてもいい。|漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」のネタバレありの感想・考察③

田島列島さんの作品って、まじで「こういうところが面白いなあ」という感想が出ない。でも面白い。
「なぜ面白いんだ?」「面白いと思うところはなんだ?」と思って、考えて、悩んだ末に他の作品は一人で合点がいっていたのですが、この作品は最後までわかりませんでした。
田島列島さんが見る世界、想像する世界が個性的で、天才的だから面白いんだと思います。多分。

田島列島さんのレアさ・偉大さ。|漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」のネタバレありの感想・考察④

田島列島さんの単行本は3シリーズ、合計6冊ですが、「田島列島短編集 ごあいさつ」の最後におまけでついている「蔵出し田島列島」では、週刊誌や様々な企画で制作されたポップやイラストなどが色々掲載されています。
おまけがけっこう細かいし、色々使用されているところを見ると、田島列島さんのレアさ・偉大さを実感します。私も続編だけではなく、イラストや1コマ漫画レベルでもいいので次回作を待ち望んでいる一人です。


それでは今回は以上で終わり。
ちなみに「田島列島短編集 ごあいさつ」「水は海に向かって流れる」「子供はわかってあげない」は似たような世界線なので、1シリーズでも読んだ方は他の作品もぜひ読んでみてください。
漫画「田島列島短編集 ごあいさつ」を読む
出典:「田島列島短編集 ごあいさつ(田島列島・モーニングコミックス)」Amazonより

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